2013年、FATは、より多くの人に「ものつくりのこと」を伝えることを目標にします。それは、1992年に、 FATが活動を始めたときにさかのぼります。FATは、ストイックにただひたすらアート性を追求することから抜け出そうとアトリエを始めました。発表場所は、ダンスフロアであったり、商業空間だったり、多くの人が集まる場所を選び続けました。周りの人達からのレスポンスが欲しかったのだと思います。
素材もテーマも、身の周りにあるありふれたものを大切にしました。そして、CD1枚分で買える作品は、雑貨と言うジャンルで紹介され始めました。人と人とのつながりが重要でした。 つながりという点では、アトリエに集まる仲間に作り方や考え方を教える必要がありました。多くの作品を作り、お店に並べていただくことは、一人ではできないからです。
そして、私たちがアトリエに集う前に過ごした、幸せな学校生活の経験も大切な原動力でした。だからいつしか「学校を作りたい」と漠然と語り合っていました。
学校を作ることは、夢のまた夢でしょうが、数年前から、「ものつくりをつたえる」本格的なチャンスを頂き、昨年より本格的にチャレンジを始めました。
人間は、ものを作ることによってしか、生きる営みが出来ません。創意工夫をしなければ、命は次の世代に引き継がれません。残念ながらその力を、人は生まれながらに持っていません。今、手の力でものを作ることが減っています。ものづくりは一部の人の技能になってしまっています。残念なことです。
「ものつくりのこと」…今年のFATは、ものつくりを伝える工夫をたくさんしようと思います。 テラシマ トオル 2013.1.1
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