クラフトレーベルFATの
      アトリエにようこそ

 

animation
object of FAT
no sound version
by
Kouhei Ichiyama

 
  fragment of materials/素材の欠片たち 16  sus304の表面  
     
  JIG・治具   
 


■アーティストやデザイナーは社会を背景に存在するものだが、さすがに似たものが現れると意識せずにはいられない。FATにとって思い入れたっぷりの黒板オブジェ。黒板の家が、大手のブランドから発売されていると聞かされた。気にしたくないので直接見てはいないが、好きなブランドなのでさすがにショックだ。FATのFの字であるアノニマスは、無名性の意味を持つが、意志を持ったクラフトマンが心を込めて作ることを前提にしている。ひっそりと作りたい。使い手の良いも受け入れたい。ささやかだが生活に人間性を感じることの出来るものを作りたいと思っている。手作りの大量生産は悲し過ぎる。■黒板の家を発表したクリスマスに、自分のこどもに家の風景をたくさん描いてもらって展示した。突然訪れた子どもたちも描いてくれた。欲しいと行ってねだった子どもに、サンタからの贈り物にと一旦お店を出てから買いにきてくれたお父さんもいた。ものを作って売るなかで、いろいろな喜びを感じた作品だった。■単純な作品のようだが、木は端材を無駄なく使い、形の制限も生かした。スプレーから手塗りの方式に変えた。それも無駄を無くし質感も上げるためだった。木の肌が見える底をあえてきれいに塗り残す方法も考えた。実は多くのマニュアルが残されている。■ところで簡単には絶対にまねできないだろうという作品がアドベントツリーだ。治具とは、JIGの宛て字、作品をバランスよく正確に、同じものを作るためのガイドの用なものだが、アドベントツリーには、たくさんの治具が存在している。小さな作品だが丁寧に丁寧に作ったこのオブジェに憧れて求めてくださる方がいる。これもまた本当に嬉しい。1つの木に24のオブジェが並ぶので、完成の時の充実感もまた大きい。使い手の方を想像しながら作る心の余裕も生まれる作品だ。■作り手と使い手、ものを通して繋がれることはFATの最大のよろこびに違いない。2010.12.2 寺島トオル

 

  back number

YouTube/
NewWorks200904


YouTube/Xmas2009