クラフトレーベルFATの
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animation
object of FAT
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by
Kouhei Ichiyama

 
  fragment of materials/素材の欠片たち 16  sus304の表面  
     
    「再び、モリス。」        
 



70年代の旋盤/実習にて

□ことあるごとに話しているが、FATを友人と立ち上げた時、私はウイリアムモリスに傾倒していた。近代デザインの父として大学の講義でモリスについて知ったのは1987年。その後、その友人と別の大学で再び学ぶ機会があった。そこで知ったのは社会思想家としてのモリスだった。産業革命で工場制機械工業が始まった時代、モリスは時代に警鐘を鳴らすように手作業に価値を見いだし、工業化と相反するすばらしい製品を生み出していった。□手仕事は人間の原点。そして先月、大学院の講義でモリスにまたもや触れる機会があった。先進国は、高度な技術で付加価値の高い産業にシフトしながら経済成長をすすめてきたが、皮肉にも高度になればなるほど人の手はいらなくなってくる。ロボットを作り出す人間とロボットに仕事を奪われる人間。今、日本の将来の生活のあり方が問われている。この国に生きるひとり一人が真剣に受け止めないと未来に続かない。全ての子どもたちに未来がない。そして地球全体がそうなりつつある。□またまた替わった日本の首相のもとで消費税が増えるらしい。しかし、それは社会福祉に使われ、十分な生活が保障されるならばそれはいい。次世代の子どもたちに明るい未来を贈ることが出来る。それが真実だとするならば新しい社会/生活システムを作り上げることにも自由になりたい。ものづくりと社会作り、モリスが一生を捧げて試みた大きな仕事。□でも、むずかしく考えることもまた手仕事に相反する様な気もする。手を動かして考える。身体を動かして考える。行動して反省。次につなげる。自ずと答えはでてくると思う。FATはこうして進んで来た。
2010.7.1 寺島トオル

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