クラフトレーベルFATの
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object of FAT
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by
Kouhei Ichiyama

 
  fragment of materials/素材の欠片たち 16  sus304の表面  
     
  教えること、教わること 
〜動機について〜
 
 





 バスの中で、通い始めた大学の先生と隣り合わせた。その時先生は、教育における動機づけについての論文を読まれていた。先生は「動機づけ」という言葉にとても関心があるそうだ。それからずっと私の頭の中から「動機」という言葉が離れない。
 私は、FATも運営しているが、学校で教え、また大学は生徒でもある。今私はすごく学びたくて、またすごく教えたい。その思いは、日々とても強くなりつつある。その動機は一体なんだろう。私自身い問いかけてみる。
 ものづくりの楽しさを子どもたちに教えたい。大げさかも知れないが、その必要性を日本の社会に感じている。より高い次元で…だから学びたい。それがそれが動機だと思う。
 人は大きな目標や夢があるからこそ突き進めるものだ。でも、ふと我が身を振り返ってみると…15歳の時の自分は今を想像できていなかったし、20歳の自分は今の私が持つ夢をまったく想像できていなかった。明らかにその時の動機とかけ離れた毎日を今送っている。動機は、以外とあてにならないのかも知れない。
 先日、生徒がノートの片隅に書いていた。「学校は楽しい、でも勉強はつまらない。」前向きな答えは彼にあげられなかったが、心の中で先生の「動機」の言葉が響いた。社会の先輩として、子どもたちにはたくさんの動機の種を蒔いてあげたい。それが教えるものとして一番大切なことだと思った。
 偶然にもバスの中でお会いした大学の先生は、栽培学の先生だ。4月に、先生と学生が一緒に学内の斜面を開墾?して作った畑に植えた苗は、春の強い風にも耐え、5月に入り根付いた。雑草を抜き、畑を耕し、赤玉土を入れ有機肥料や化成肥料や石灰を蒔き、畝を作った。苗は、強い品種から接いであった。目に見えないところで、たくさんの成長のための下ごしらえをした。
 5月病という言葉があるように、喜びいっぱい、張り切ってスタートした4月を終え、みんなが少し立ち止まる時期だが、支えている誰かどこかにいる。若者たちよ安心して冒険してほしい。
 
 「大学院では、栽培学のほかに木材加工学や金属加工学や電気、そして技術教育について基礎からたっぷり学んでいます。
  FATの作品にもどんどん反映させますので、楽しみにしていてください!」      2010.5.1 寺島トオル

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